この会社は1979年に設立した会社で、建築系と土木・測量系の建設業向けCADソフトウェアメーカーである。
山本氏の本にしたがって、投資候補となり得るか検討してみる。
1. 営業費用売上比率の計算
2018年3月期決算の決算短信の数字から、売上:109億円、営業費用(売上ー営業利益):72億円なので、営業費用売上比率=1.51基準の1.15を越えているので、投資対象となりうる。
2. 配当性向の確認
2018年3月期で配当性向は30.3%である。基準の50%に満たないので、増収率を確認する。3. 増収率の計算
2015年3月期が減収となっているがそれ以外の年度はこの10年間増収を続けており、順調に事業を伸ばしている。4. 中期経営計画の有無、事業戦略が明確か
資料としては簡単なものだが、2016年度に策定した2016~2019年の3カ年の中期経営計画がある。これによると国内の住宅市場・公共投資など市場の縮小は見込まれるが、CADソフトウェアを通じて建築・土木・測量業界の3D化を推進して、業界のICT(情報通信技術)の普及と業務効率化を支援するとある。
5. 20年後もあるか
国土交通省が推進するi-Constructionはまだ大企業が中心であり、中小企業への普及はこれからとのことである(2018年3月の事業報告書より)。ということで、ソフトの導入はまだ増えていくのだろう。また、各社の建材、住宅機器、インテリア商品のデータを組み合わせて3Dでweb状で確認できたり、VRを活用して住宅空間を事前に活用するなど、いろんなアプリケーションがこれからも出てきそうである。
6. 割安度の確認
2018年3月期の数字を用いて計算する。- 営業利益:37億円
- 税引き後営業利益(営業利益×0.6):22億円
- 疑似配当総額(税引き後営業利益×0.4):8.9億円
- 擬似ROE(税引き後営業利益÷自己資本):25%
- 将来配当予想(疑似ROEが25%なので4倍):35億円
- 時価総額(株価×発行済み株式数):438億円(2019/2/27終値)
- 配当利回り(配当÷時価総額):8.1%(2%以上で合格)
- 上値目途(配当利回り÷1.6%):5倍
ということで将来的には5倍になる可能性があるという計算になる。
売上・利益剰余金など順調に増えており、配当性向も30%程度で安定している。
株価は2017年6月に4,210円の高値をつけて以来、1年半ほど下げトレンドで約半値にまで下がったが、今年に入って反発している。こちらの株もいくらか購入してみた。
山本さんの本はこちら。
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