2020年3月26日木曜日

株主総会出席:(株)MonotaRO(3064)

一時期ブログにログインできなかったこともあり、1年ぶりの更新となりましたが、
今年もMonotaROの株主総会に出席したので、さっそくレポートを書きます。
ほぼ1年ぶりの記事ですね。

なお、聞きながらのメモであり、聞き逃し・勘違い・理解不足などによる誤りも多々あると思われるが、その点はご容赦いただきたい。

(株)MonotaRO 第20期定時株主総会

1. 場所・時間

場所:尼崎リサーチインキュベーションセンター (尼崎市)
   150人強の座席に対し、8~9割程度埋まっていた。
時間:2020/3/26(木) 10時開始、11:50終了

新型コロナウイルスの対応として、入場者にアルコールによる手の消毒と検温をし、マスクを1枚渡して株主総会中のマスク着用を要請された。
また座席は隣と1席分空けたくらいの間隔で椅子を配置していた。
会社の取締役・執行役員などもみなマスク姿で会を進めた。

2. 内容


まずはじめに昨年の高槻での爆発事故に関して謝罪があった。
補償などの費用として3.14億円を使用し特別損失とした。
また社長と2名の執行役員の報酬の一部返上をしたとのこと。

その後、役員が着席し通常の株主総会が始まった。

2.1 新型コロナウイルスの対応と影響について

・マスク・消毒液などの商品は欠品・品薄が生じ、需要に十分応えられていない。
 →NB・PB/国内・海外を問わず代替品を含め調達手配中
・社員の感染防止対策の説明があった。
・2020年度計画に対しては、具体的影響・見通しは未反映。
・経済停滞による経済活動低下などに伴い、時差を経て国内全体の間接資材購買が減となる可能性大。一方、間接資材購買に係る負担・費用軽減を図るため、既存顧客の当社利用の拡大と新規顧客加入増の可能性もある。

2.2 事業説明

事業説明は省略

2020年度の見通しのところで補足

2008~09年のリーマンショック時は、既存顧客の減少があったが、新規顧客の増加でまかなえ、かろうじて1%の売上増だった。

今後の施策について

2020年度 IT関連 サプライチェーン高度化の新プラットフォームの構築(2019年から継続)
・商品情報管理システム:4~5月にリリース予定
・受発注管理システム:多くの取引先と顧客、自社の倉庫がある中で、何をどこから仕入れてどのように配送すれば良いのかを判断するようなシステムを開発中
2021年度 物流 茨城中央サテライトセンター(SC)稼働開始(2020年中は建設中)
・主機能は輸入商品(主に中国・台湾から)のバックヤード。直接出荷できるようにもする。
2022年度 物流 猪名川ディストリビューションセンター(DC)稼働開始
・現在の笠間DCよりも出荷能力・在庫能力とも増やす


2.3 質疑応答

こちらも聞き書きであり、質問者・回答者の意図と異なる、抜けている可能性もある。
[Q]は質問、[A]はそれに対する回答(鈴木社長が回答)

1.[Q]高槻での事故に対して3人の役員の一部報酬返上では反省が足りないのでは?全取締役が返上すべき。
1.[A]取締役に責任が全くないとは言わないが、事故の原因に対しては、会社の体制の不備が原因と思うので、代表取締役社長と2名の担当執行役員の責任とした。当社を今後も顧客に安心して選んでもらえる会社にしていきたいと思っている。

2.[Q]ディストリビューションセンターなど箱の拡大は理解したが、人材面の拡大はどうしているか?
2.[A]1年間で従業員は67人ぐらい増えている。優秀な人材が採れていると考えている。

3.[Q]親会社が過半数の株式を持っているが、将来的に地域的な事業範囲の制限など出てきそうか?
3.[A]現状欧米は親会社のオンライン部門が担当し、当社はロイヤリティをもらっている。現時点では親会社から制約を受けることはない。

4.[Q]各DCは自社所有か、リース物件か?
4.[A]尼崎・猪名川はリース(プロロジスより)。笠間・茨城は自社物件。
  阪神地域は土地造成にも2年かかり、自社でやるのは大変なのでリースしている。
  茨城は県が持つ土地の払い下げなので自社でやった。

5.[Q]海外事業について、ゆくゆくは日本以上を狙うのか?10年後のイメージは?
5.[A]日本だけでも間接資材の市場規模5兆円のうち自社の比率はまだ3%と思っているから日本もまだまだ成長すると考えているので、10年後でもまだ日本の売上が主力である。

6.[Q]高槻の事故があったが、廃棄物処理を自社でやる考えはあるか?
6.[A]木材・化学品などそれぞれ専業の廃棄処理業者がおり、それら適切な業者に任せるので、自社でやる考えはない。

7.[Q]新型コロナウイルスの影響についての説明が軽く流したようにも聞こえたが、自分は大きな影響が出ると考えている。社長はどういう点に危機感を感じているか?また海外事業ではどこに影響が出そうか?
7.[A]経済活動の停滞が起きるのが一番の懸念。製造業ではリーマンショック時以上のインパクトが数ヶ月続くと考えている。
リーマンショック時には顧客当たりの注文金額が20%減った。数十%の売上減は可能性としてはあると思う。
今は製造業以外の取引先も増え、製造業の顧客の比率は4割程度なので、インパクトはリーマン時よりは減らせるかと思う。もちろん製造業以外でも影響はあると思う。
海外事業はロイヤリティ収入での損失はない。海外の通販事業はまだ小さいのでインパクトは小さい。

8.[Q]コロナウイルスの影響でeコマースが伸び、私はMonotaROにはチャンスでは?と考えている。eコマースの会社が競合になるのでは?
8.[A]間接資材の市場規模5兆円の内、オンライン化されているのは10%程度と考えている。オンライン化の流れの中で事業成長してきた。コロナの影響で現時点では多少売上は伸びているが、もちろん減る可能性もある。親会社においてはオフライン/オンラインの比率は劇的に変わっている。

9.[Q]顧客への配送をヤマト・佐川・日本郵便の3者に頼んでいるとのことだが、協業など何か取り組みは考えられるか?
9.[A]物流費は売上の6%前半と考えており、昨年までの配送料の値上がりで1ポイントほど上がったとみている。商品と送る地域によって最適な業者を選ぶようにしている。
(自社内の倉庫間移動も含め)運送ごとに10%の物流費がかかっていると考えている。注文によってはDCから送るよりバックヤードから直送するなどできる。そのためのシステムを今開発しているところ。会社としては体制とソフトウェアに注力する。

10.[Q]商品点数が増えてくると、Amazon、楽天などとバッティングするようになるのでは?
10.[A]自社は原材料以外の間接資材に特化している。顧客があちこちの会社から買うのではなく、自社からワンストップで買えることで、顧客の利便性・コスト低減を目指したい。

11.[Q]社長が親会社のオンライン担当の責任者になったとのことだが、抱負を聞きたい。
11.[A]既存の顧客からの売上を伸ばせているのは日本の事業だけ。海外の事業は新規顧客増による売上増のみで既存顧客の売上を増やせていない。継続的な成長ができるようなモデルを作りたい。
日本は問屋を活用できるが、アメリカは問屋がないので品揃えを簡単に増やせない。
海外事業で得た知見を日本の事業に生かすこともやりたい。

12.[Q]東証の再編が予定されているが、プライム市場に残ると思うか?また世の中はTOPIXに採用されているかで投資するかで判断する人もいると思う。意気込み・意見表明などを聞きたい。
12.[A]時価総額の基準は満たしていると思う。株主に対しては長期的な事業成長による利益・配当の成長で応えたいと考えている。自社でコントロールできるのは配当性向のみであり、株価などはどうしうようもできない。指数のために何かするということはない。

13.[Q]物流費が上がってきているが、3500円以上で配送料無料などは維持できそうか?
13.[A]これまでは物流費値上げの要請がありそれを受けてきたが、今後は今以上の値上げはないのではないかと考えている。1回の注文で7000円以上ならその月は無料という施策が良い感じ。みんなを送料無料するのではなく、当社を選んでくれる顧客に貢献したい。

14.[Q]最近はアジア各国に日本企業が進出しているが、コロナで混乱している今が海外を増やすチャンスでは?
14.[A]国によって様々であり、やるなら自社の事業モデルを活かせるところだろう。調査はずっとしているので継続して検討したい。

4. 議決

2点の議案につき、特に質問などもなく決議し終了。

5. おまけ

今年のお土産はプライベートブランドの雑貨いろいろ
昨年はマスクとウェットティッシュをもらったのでかすかに期待したのだが、やはりそれは品不足なのでない。
SDカードまでモノタロウのロゴ入り。
大量の飴ちゃんは消費に時間がかかりそう。。




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