2018年10月26日金曜日

日本電産(6594)の2019年3月期2Q決算説明会内容を確認

日本電産(株)の2Q決算説明会の音声配信が公開されていたので、その内容を聞いてみた。
気になった(気に入った)内容を下記に箇条書きにする。


  • 1Qに対する2Qの売上をみると、車載、家電系の売上が若干減っており、吹いてる風が弱まってきた。と感じている。しかしそれは好きな状態。風が止まっても凧を揚げる(利益を上げる)のが日本電産である。
  • 米中貿易戦争があってもメキシコ工場の増産ピッチを加速し、米国向けで競合を撃破。世界各地に工場を作っているから、どこかの地域で問題が発生してもきちんと供給できる体制にしている。
  • メキシコに行った時になんでこんな狭い土地しか買ってないのか?と怒鳴った。どれくらいの広さを買ったら良かったかと聞かれたので、「10倍や!」と答えた。
  • 車載用モータの引き合いが殺到。今後数年の売り上げ目標に対して、引き合い見込みは3倍くらいある。
  • 車載用モータの営業利益率将来的には25~30%と予想している(現在16%)。
  • MSグレスナーほか5社程度のドイツの会社の買収で減速機関連のすべての商品が揃う
  • 15~30%の利益率を取ろうと思うなら、シェア100%取るくらいのつもりで事業をやらないといけない。
  • モノがないから値段を上げるようなことをしてはダメ。注残があることを誇りにするような会社はダメ。
  • 自社でも供給できない注文を取ったらダメと言っている。基本的には45日。
  • 値段が下がるから普及する。高いものは普及するわけない。値段を下げて需要が高まるのなら下げる。需要が変わらないのなら下げない。
永守さんは、企業経営者にはこれくらいの意気込みでガンガンやって欲しいと思える、見本のような人である。



2018年10月11日木曜日

NVIDIA(NVDA)を調べる

NVIDIAの株を初めて買ったのは2017年1月。
その頃は車の自動運転用のAIチップの本命として話題となっており、投資した。
その後も順調に株価は上昇しており、さらに買い増ししようとしているが、改めて会社のことについて調べてみた。

1. 製品と競合

1.1 競合

グラフィックチップとしての競合は以前はATI Technologies(2006年にAMDが買収)のRadeonシリーズかNVIDIAのGeForceシリーズかと比較されていたが、今はRadeonの影はだいぶ薄くなっているように思う。
またローエンドのPCのグラフィック出力はCPUができるようになっているので、外付けのGPUを使うのはハイエンドモデルとなっている。

AIチップとしては、今はGeForceがメジャーであるが、GoogleやAppleなどいろんな会社も作ろうとしている/作っている。

どちらでもNVIDIAは一番といっても良いだろう。

1.2 性能向上

CPUはムーアの法則の限界により最近は毎年10%の性能向上まで落ちているが、GPUは毎年50%成長を続けるらしい。
また1つのアーキテクチャ(チップ構造)を拡張して利用しやすい構成にしているのも効率がよい。

データセンターでもGPUを使った最新の環境にすれば、CPUベースのサーバーより設置面積・消費電力・費用を削減できるよと主張している。

GPUはムーアの法則を越えて性能向上させるの図
(INVESTOR UPDATE Sep.2018(NDR-Sep-2018-FINAL.pdf)のp.3より引用)

2. 主な用途

NVIDIAが注力している用途・アプリケーションは下記のようなものがある。
NVIDIAが注力する主な4つの分野
(NIVIDIA 2018 Investor Day Presentation(NVIDIA-2018.pdf)のp.5より引用)

2.1 Gaming(ゲーム、eSports)

ゲームというと遊びでやってるゲーマーを思い浮かべるが、最近はそこから発展してeSportsとして大きくなろうとしている。
eSportsになるとスポンサーがついて賞金も出るし、プロのプレーヤーも出てくる。
一部の人だけのものではなく、より一般的になって多くの人が楽しむようになってくる。
きれいな映像を大画面で多くの人に見せたりするので、より高性能な環境が必要となるだろう。

2.2 Pro Visualization

より高度なCG(Computer Graphics)ということだろうか。
今まではあらかじめ膨大な計算をしてCG映像を作っていたが、NVIDIAの最新のRTXという製品ではリアルタイムでのレイトレーシングができ、リアルタイムでより自然に近いCG画像を作れるとのこと。
これによって、映画やCMなどもよりきれいなCGになるし、自動運転のシミュレーター映像などにも使える。
また医療分野でもCTやMRの画像を3次元化してきれいに表示できるようになる。

2.3 データセンター

IoT機器のデータや車の走行データ、音声・画像・動画、ECサイトなどの購買データなど、データはいくらでも増えていく。
さらに世の中にあるデータをかき集めてAIの学習やシミュレーションをさせるということをいろんな業界で進めている。
そのためのデータセンターは今後も必要になるし、Deep learningなどするにはまだいくらでも性能向上が必要である。

2.4 自動運転

お乗用車やトラックの自動運転の実用化・高度化を各社が進めている。
NVIDIAは自動車業界向けのオープンプラットフォームを用意して、自動車メーカ・部品メーカ・地図・センサーなど多くのパートナーと協業している。
また自動運転は自動車だけでなく、ドローンやロボットも関連してくる。


NVIDIAによると上記4分野の市場の3年平均成長率は下記のように大きく成長しているとのこと。また今後も少なくとも数年はどんどん伸びていくだろう。

 3年平均成長率(CAGR)
  • Gaming:~40%
  • Pro Vizualization:6%
  • データセンター:~85%
  • 自動運転:45%
4つの市場の成長率
(NIVIDIA 2018 Investor Day Presentation(NVIDIA-2018.pdf)のp.52より引用)

3. 業績

FY2017とFY2018を比較すると

  • 売上:41%増
  • 営業利益:63%増
  • EPS:61%増
業績の変化(FY2017→FY2018)
(NIVIDIA 2018 Investor Day Presentation(NVIDIA-2018.pdf)のp.51より引用)

粗利率、営業利益率についてFY2015とFY2018を比較すると
  • 粗利率:55.8%→60.2%(4.4ポイント上昇)
  • 営業利益率:20%→37%(17ポイント上昇)
とそれぞれ大きく上昇している。
営業利益率の変化(FY2015→FY2018)
(NIVIDIA 2018 Investor Day Presentation(NVIDIA-2018.pdf)のp.59より引用)

また市場ごとの粗利率のグラフが下記のようになっている。
粗利率の高いGaming、データセンターの事業が伸びると粗利率もさらに向上することが期待できる。
市場ごとの粗利率
(NIVIDIA 2018 Investor Day Presentation(NVIDIA-2018.pdf)のp.55より引用)

4. 結論


以上のことを考えるとまだまだ安心して株を保有・買い増ししようと思う。


2018年10月10日水曜日

外国株の投資先を考える。

四半期ごとに入ってくるアメリカ株・ETFの配当が最近まとまって入ってきて、ドルでの口座残高が2,800ドルほどになったので、外国株(ETF)を買い増ししようかと思う。
そこで保有銘柄をチェックしてみた。

1. 地域選択

自分のポートフォリオのアセットロケーションは厳密に決めていないが、日本株の比率が高く、それ以外はどこも予定より低いので、選定対象となり得る。
保有しているETF、VWO(新興国)、VGK(ヨーロッパ)、VTI(アメリカ)を比較してみる。
Yahoo! FINANCE(US)にて10年超の長期チャートを見てみる。
グラフ中の上下の直線は自分でえいやっと引いた線である。

1.1 VWO(新興国)

残念ながら長期では上昇しているようには見えない。
今後状況が変わって上昇していくようになるか?と考えても可能性としては低そうである。

VWOの長期チャート

1.2 VGK(ヨーロッパ)

2009年のリーマンショック以降、よく見ると少しは成長トレンドかなと思う。ただし傾きはだいぶ小さい。
配当利回りは3.4%くらいあって、他の地域よりはだいぶ高いので、配当を多くもらおうと思うなら選択するか?というくらい。
VGKの長期チャート

1.3 VTI(アメリカ)

2009年のリーマンショック以降、大きな上昇トレンドである。
ざっくりみても3倍くらいにはなっている。
モメンタムを重視するなら、やっぱりアメリカ株の比率を上げておくのが一番かなと思う。

VTIの長期チャート

2. ETFか個別株か

アメリカ株は個別株も持っているので、個別株にするかを検討する。

2.1 優良株

まずは長期にわたって好調であり、配当もそれなりにある(配当利回り2%台)優良株を比較する。自分が保有しているのはCB、JNJ、MMMである。
5年または10年でVTIと各銘柄を比較したチャートは下記の通り。
各銘柄とも時期によってそれぞれデコボコはあるが、VTIにするか個別株かはまぁ好みといったところか。どれを選んでもそう大きく変わることはなさそう。

VTI vs 優良株(5年チャート)

VTI vs 優良株(10年チャート)


2.2 成長株

次は成長株とVTIとを比較してみる。
成長株として自分が保有しているのはAMZN、GOOGL、NVDA、Visaが該当する。
チャートを比較してみると、VTIが横ばいに見えるくらいに、これらの株価の上昇が著しい。個人的に意外だったのはGOOGLよりもVisaの方が株価上がってるのね。
こうしてみると、またモメンタムを重視するならAMZNかNVDAの買い増しかな?と思うな。

VTI vs 成長株(1年チャート)

VTI vs 成長株(5年チャート)

VTI vs 成長株(10年チャート)