2017年9月23日土曜日

退職金の運用

このたび一身上の都合で退職した。
しばらくは働くつもりはなく、セミリタイア状態となる。
十年以上働いていたので、まぁまぁそれなりの金額の退職金である。
さてこれをどのように運用しようか。
一定割合の預金は確保しているので、投資に振り分けてもよい。
ただ、株式にフルインベストするのもリスクを取り過ぎな気もする。
ミドルリスクミドルリターン狙いでバランスファンドにでもしてみるか。
ってさっそくこの前読んだ「ピクテ式・・・」の影響を受けている気がする。

しばらく考えよう。


2017年9月17日日曜日

萩野琢英著「211年の歴史が生んだピクテ式投資セオリー」を読了

表記の本が図書館にあったので借りて読んだ。2016年10月発行なので比較的新しい本である。
著者の萩野さんという方はピクテ投信投資顧問株式会社の代表取締役社長。
さわかみ投信の澤上篤人さんも以前ピクテにいたので、そのピクテがどのような考え方で投資をしているのか興味を持ったので借りてみた。

1.ピクテについて

まずピクテという会社は1805年にジュネーブに設立されたプライベートバンクで欧州の名家の資産運用を中心に手がけている。2000年にピクテの資産管理運用額は10兆円程度だったのが2016年3月末には約50兆円になっている。それだけ順調ということだろう。
ピクテの投資哲学は著者によると「けっして欲張ることなく、徹底した分散投資を長期にわたって実践する」ということ。資産運用の考え方は「資産保全」であり、資産保全とは「顧客の資産の価値を物価上昇、災難などから守ることを目標とした運用」のことである。そのために

  1. グローバル分散投資
  2. 長期投資
を実行しているらしい。長期投資の「長期」とは少なくとも10年、あるいは20年以上である。

2.著者が提案する資産運用の考え方

著者は資金を下記の5つに分割して投資しようと提案している。
  1. 預貯金でなければならない資金
  2. 欲張らない投資
  3. ちょっと欲張った投資
  4. 育てる投資
  5. スパイス的な投資
要はコア・サテライト運用である。
これらの資金の配分は
  1. 預貯金:2年以内の出費を予定する資金
  2. 欲張らない投資:5年以内の出費を予定する資金
  3. ちょっと欲張った投資:5~9年投資できる資金
  4. 育てる投資:残りの60~95%
  5. スパイス投資:残りの5~40%
としている。4と5の比率は年齢によって変えるよう提案しており、自身の年齢が高いほどスパイス投資を低めとしている。

3.各々の投資対象

3.1「欲張らない投資」

この投資では物価上昇率程度のリターンを目指し、昔だったら株式と債券の両方に投資していたが、昨今の超低金利・マイナス金利で債券ではリターンが得られなくなったので、REITやオルタナティブ運用にも分散させているらしい。ピクテの商品で言うと「ピクテ・マルチアセット・アロケーション・ファンド」がその考え方で運用をしているらしい。


3.2「ちょっと欲張った投資」

この投資では「程よいリスクで程よいリターン」を目指すとし、為替ヘッジした世界の公益株式ファンドやハイイールド債・新興国債ファンドを勧めている。

3.3「育てる投資」

世界分散型の株式ファンドか、株式の比率が多めのバランスファンドを10年以上は持ち続けるイメージ。

3.4「スパイス的な投資」

単一市場・単一投資対象に絞り込んだ投資。投資対象(市場・地域・分野)が成長する領域であること。例として新興国株式ファンドとかバイオ医薬品関連を挙げている。


自社がアクティブ運用をする会社だからか、インデックス運用とアクティブ運用の比較とか、そういう話しは出てこない。

4.自分に当てはめて考えると

自分に当てはめて考えてみると、自分の場合は債券・バランスファンドには全く投資していないので「欲張らない投資」ができていない、「欲張った投資ばかり」ということになってしまう。まぁでもある程度の期間投資できる資金を自分のリスク選好度を考えながらやっているからいいのでは?と思ってしまう。
最近個別株で、日本株だったら低PER・PBR高配当株とか、アメリカ株でJNJとかMMMとかの配当王銘柄を買っているのがミドルリスクミドルリターンに相当するだろうか(比率はぜんぜん低いけど)。そして、AMZN、GOOGL、NVDAがスパイス投資になるな。

ピクテに資産管理を依頼するような資産家はすでに十分な資産を持っているから「保全」する程度で良いのだろう。自分の場合はリスクの取り過ぎに注意しながら今までどおりやっていこうと思う。

5.ピクテのファンドの報告書にて

本を読みながらピクテが運用するファンドの報告書を見てみた。すると他社ではあまり載っていない情報が載っていた。
月次報告書の中にファンドの基準価額の変動額の内訳が投資対象ごとに明示されていた。

  • コモディティ :  +0円
  • 株式     :+484円
  • オルタナティブ:+206円
  • 債券     :+351円
  • 先物     :   -1円
  • 分配金    :  0円
  • 信託報酬等  : -442円
  • その他    :+165円
となっている。まぁ知ったからと言ってどうってことはないが、それぞれの寄与度はこれくらいなのね、とわかる。あと信託報酬の影響度合いもわかりやすい。




2017年9月14日木曜日

株式の移管手続き

持ち株会で持っていた株式をメインの証券口座に移管した。
手続きの経過としては下記のような感じ。約1ヶ月かかったことになる。

  • 8/17:移管元証券会社に電話して、株式移管の手続きを依頼する。必要な書類を送付してもらうように伝え、移管に必要な手数料10,800円を振り込みむ。(預かり金がゼロだったので)
  • 9/2:依頼した用紙がようやく届く。送付日が9/1になっており、2週間近く放っておいたもよう
  • 9/6:移管手続き用紙に記入し、郵送する。
  • 9/12:移管元証券口座にて移管手続きが行われた模様(手数料がこの日付で引かれていることを9/14に確認)
  • 9/14:移管先口座から「移管手続きが完了した」旨の連絡がきた(ログインしてお知らせに気づいたが、ちょうどこのブログを書いている最中にお知らせのメールも来ていた)。保有商品に移管した株式が登録されていることを確認
ということで、株式の移管手続きは約1ヶ月かかったことになる。

さてこの持ち株(銘柄名はXとしておこう)のポートフォリオに占める割合は約6割と非常に大きなものである。市場がどれだけ上がろうが、このXの値動きでポートフォリオの損益が左右されてしまう。


今後の方針としては、Xの比率を徐々に下げて理想のポートフォリオに近づけることにする。




2017年9月6日水曜日

楽天証券がアメリカ株式・ETFの取引手数料を値下げ

本日楽天証券から表記のようなメールが来た。
アメリカの株式・ETFの取引手数料が9/25約定分から値下げになるとのこと。
具体的には、
【新手数料(税抜)  2017年9月25日現地約定分から】
約定代金の0.45%
下限5ドル、上限20ドル

【旧手数料(税抜)  2017年9月22日現地約定分まで】
1,000株まで25米ドル
1,000株を超えた分は、1株毎に2セント追加。

となる。


楽天証券のお知らせのページ
「米国株式・ETFの取引手数料が大幅に引下げ! 業界最低水準へ!」

にマネックス証券、SBI証券との比較がされているが、今まで楽天証券が高かったのがようやく追いついただけである。

最近自分が個別株を買う時は1回あたりの取引金額が3,000ドルくらいになるようにして買っているのだが、それだとざっくり13.5ドル程度となり、今までの半額強となる。
何はともあれ手数料が安くなるのは歓迎したい。



2017年9月2日土曜日

twitter始めました

twitter始めました。
と言っても初心者というわけではなく、投資関連用のアカウントを新規作成。
投資関連とそれ以外のつれづれごとはやはり対象者が違いそうといのと、これから暇になるもんで、投資関連のツイートが増えるかも。というところから。

https://twitter.com/gongon77gon/


「さわかみファンド」運用報告会2017 in 大阪 に参加

「さわかみファンド」の運用報告会は例年横浜で実施しているのだが、今年は初めて大阪で実施するということで、関西圏に住んでいる私は初めて行ってみることにした。
場所は大阪市内のマイドームおおさか。開場の10時前に着くと、結構並んでいる。
10時になったのでさっそく開場。
会場の真ん中に企業出展ブースがあり、30社が会社紹介のブースを出していた。また2つのステージでいくつかの講演もあった。
以下は私が見たもののを簡単に紹介

1.ホソカワミクロン株式会社の紹介

企画管理本部の花川さんの説明。
会社の履歴、事業内容などの説明。
会社自体は粉体を扱う会社で昔から興味を持っていた。
以下、話しの中で印象に残ったこと。
・アメリカ・ヨーロッパの会社とお互いに技術供与してきた。
・その後は欧米の会社を中心に買収
・粉体を加工・分離などする粉体を扱う機械を作る。ほとんどオーダーメイド。
・粉体関連以外にも薄膜関連もやっている
自分が投資するかというと、営業利益率が10%ないところで、対象から外れるかな。。

2.日本電産株式会社 永守さんの講演

本日来た一番の目的はこれ。多くの人がそうじゃないかしら?
自分自身が電気関連の仕事をしているので、日本電産にも興味を持っており、昔から投資しようか悩んでいたが、つい先日とうとう個別株を買ってしまったところ。
簡単な会社紹介のビデオを流し、永守さんが登壇。
いきなり自社とTOPIX、ソニー、京セラ、ローム、村田製作所、オムロンの1995年3月からの株価推移のグラフを出す。1995年3月を1とした時に日本電産は61倍となったが、他のグラフはほとんど水平、どうだすごいだろと自慢から始まった。すごいなー。

以下は講演の要旨
・売り上げが100億から1000億、1000億から1兆円と10倍にする期間はだいたい同じくらいだった。1兆から10兆も同じくらいの時間でできると思う。今の時点がやっと本格的な売り上げのスタートに経ったところ。
・ここ数年は増収増益を達成している
・デイトレーダー以外である程度の長期で日本電産の株を持っている人は、みんな損はしていないはず。もし損しているという人がいたら手を挙げてみて。
・HDDモータから家電・車載関連へと事業ポートフォリオの転換と収益力の改善に成功。
・モータは鉄鋼、半導体に次ぐ第3の産業の米になる。
・ガソリン車にモータは80個、電気自動車には200個載っている。
・自社は電気を消費しないモータを作っている。世界の(日本の?)電力消費の半分はモータが使っている。だからモータの効率を上げて消費電力を下げると世の中にも大きなインパクトにある。
・うちのモータが入っていない商品は危ないよ。
・2018年から電動ブレーキを出す。ディスクブレーキを変えていく。車の電動化が進むと使用する部品が少なくなる。今後消えるかもしれない部品のメーカーに投資していると危ないよ。うちはこれから伸びる方の部品。
・掃除ロボットは各社のものに自社のモータが入っている。ドローンもモータを使っている。
・人型ロボットには500個のモータを使っている。今後人口が100億人になる頃にはロボットがその3倍いる。だからモータの個数も莫大になる。

といかに自社のビジネスが今後伸びるかということを力説していた。
その後は質疑応答のコーナー。
その中で「永守さんがいなくなった後が心配だが大丈夫か?」と聞かれ、
「株主総会でもその質問ばっかり。今73歳だけど、人間ドックの体力テストはまだ48歳。10兆円まではやる。その後は理事長をやる学園の仕事に専念する。」と言っていた。
当分は大丈夫そうだなと安心。
最後に「今日は株を買ってもらうために来たんだから、みなさんちゃんと買ってくださいね」と念押しして去って行った。
やっぱり迫力あって魅力的な人だね。株を買ってよかったと思った。

3.さわかみファンドの運用報告

最高投資責任者の草刈さんの説明。
説明がなんか長いというか、こちらが半分まじめに聞いていないこともあり、あまり頭に入ってこず。
数円前は約300銘柄に投資していたが、今は100銘柄程度に絞っているというのと、現金比率は約10%を維持する予定というのをしきりに強調していた。
今の市場が割安でないと判断しているのだろう。
日本電産の株は104万株くらいもってるらしく、日本電産からは「200万株くらい持ったら」と言われる。「安くなったら買う」と言ったら「安くならへんやろ」と。そんな話しがおもしろかった。

さわかみファンドのこれからの10年の方針として3つ挙げていた。
・現金比率10%の維持
・時価総額5000億円未満の会社への投資
・海外企業への投資

時価総額5000億円未満の会社は割安でなくても、適正価格なら投資すると言っていた。
海外企業に関してはこの後の澤上会長の講演の時に「日本の会社が手がけてないような事業をやっているところ」みたいな言い方をしていたが、どういう会社だろ?

4.澤上会長の講演

澤上会長も初めて生で見るんでどんな人かなと思っていた。
早口すぎてちょっと言葉がわかりにくいところがあったが、話す内容はあちこちの文章で書いてある内容なので目新しいことはそれほどなかった。
「みんなで長期投資をしよう」「お金にも働いてもらおう」ということを改めて強調していた。


最後に、来場者は1800名とのことだった。(澤上社長より)


初めて参加してみて、まぁ毎年参加はしなくてもいいが、何年かに1回関西に来るのなら出てみるかと思った。