その頃は車の自動運転用のAIチップの本命として話題となっており、投資した。
その後も順調に株価は上昇しており、さらに買い増ししようとしているが、改めて会社のことについて調べてみた。
1. 製品と競合
1.1 競合
グラフィックチップとしての競合は以前はATI Technologies(2006年にAMDが買収)のRadeonシリーズかNVIDIAのGeForceシリーズかと比較されていたが、今はRadeonの影はだいぶ薄くなっているように思う。またローエンドのPCのグラフィック出力はCPUができるようになっているので、外付けのGPUを使うのはハイエンドモデルとなっている。
AIチップとしては、今はGeForceがメジャーであるが、GoogleやAppleなどいろんな会社も作ろうとしている/作っている。
どちらでもNVIDIAは一番といっても良いだろう。
1.2 性能向上
CPUはムーアの法則の限界により最近は毎年10%の性能向上まで落ちているが、GPUは毎年50%成長を続けるらしい。また1つのアーキテクチャ(チップ構造)を拡張して利用しやすい構成にしているのも効率がよい。
データセンターでもGPUを使った最新の環境にすれば、CPUベースのサーバーより設置面積・消費電力・費用を削減できるよと主張している。
GPUはムーアの法則を越えて性能向上させるの図 |
(INVESTOR UPDATE Sep.2018(NDR-Sep-2018-FINAL.pdf)のp.3より引用)
2. 主な用途
NVIDIAが注力している用途・アプリケーションは下記のようなものがある。NVIDIAが注力する主な4つの分野 |
(NIVIDIA 2018 Investor Day Presentation(NVIDIA-2018.pdf)のp.5より引用)
2.1 Gaming(ゲーム、eSports)
ゲームというと遊びでやってるゲーマーを思い浮かべるが、最近はそこから発展してeSportsとして大きくなろうとしている。eSportsになるとスポンサーがついて賞金も出るし、プロのプレーヤーも出てくる。
一部の人だけのものではなく、より一般的になって多くの人が楽しむようになってくる。
きれいな映像を大画面で多くの人に見せたりするので、より高性能な環境が必要となるだろう。
2.2 Pro Visualization
より高度なCG(Computer Graphics)ということだろうか。今まではあらかじめ膨大な計算をしてCG映像を作っていたが、NVIDIAの最新のRTXという製品ではリアルタイムでのレイトレーシングができ、リアルタイムでより自然に近いCG画像を作れるとのこと。
これによって、映画やCMなどもよりきれいなCGになるし、自動運転のシミュレーター映像などにも使える。
また医療分野でもCTやMRの画像を3次元化してきれいに表示できるようになる。
2.3 データセンター
IoT機器のデータや車の走行データ、音声・画像・動画、ECサイトなどの購買データなど、データはいくらでも増えていく。さらに世の中にあるデータをかき集めてAIの学習やシミュレーションをさせるということをいろんな業界で進めている。
そのためのデータセンターは今後も必要になるし、Deep learningなどするにはまだいくらでも性能向上が必要である。
2.4 自動運転
お乗用車やトラックの自動運転の実用化・高度化を各社が進めている。NVIDIAは自動車業界向けのオープンプラットフォームを用意して、自動車メーカ・部品メーカ・地図・センサーなど多くのパートナーと協業している。
また自動運転は自動車だけでなく、ドローンやロボットも関連してくる。
NVIDIAによると上記4分野の市場の3年平均成長率は下記のように大きく成長しているとのこと。また今後も少なくとも数年はどんどん伸びていくだろう。
3年平均成長率(CAGR)
- Gaming:~40%
- Pro Vizualization:6%
- データセンター:~85%
- 自動運転:45%
4つの市場の成長率 |
(NIVIDIA 2018 Investor Day Presentation(NVIDIA-2018.pdf)のp.52より引用)
3. 業績
FY2017とFY2018を比較すると- 売上:41%増
- 営業利益:63%増
- EPS:61%増
業績の変化(FY2017→FY2018) |
(NIVIDIA 2018 Investor Day Presentation(NVIDIA-2018.pdf)のp.51より引用)
粗利率、営業利益率についてFY2015とFY2018を比較すると
- 粗利率:55.8%→60.2%(4.4ポイント上昇)
- 営業利益率:20%→37%(17ポイント上昇)
また市場ごとの粗利率のグラフが下記のようになっている。
粗利率の高いGaming、データセンターの事業が伸びると粗利率もさらに向上することが期待できる。
4. 結論
以上のことを考えるとまだまだ安心して株を保有・買い増ししようと思う。
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