2018年10月11日木曜日

NVIDIA(NVDA)を調べる

NVIDIAの株を初めて買ったのは2017年1月。
その頃は車の自動運転用のAIチップの本命として話題となっており、投資した。
その後も順調に株価は上昇しており、さらに買い増ししようとしているが、改めて会社のことについて調べてみた。

1. 製品と競合

1.1 競合

グラフィックチップとしての競合は以前はATI Technologies(2006年にAMDが買収)のRadeonシリーズかNVIDIAのGeForceシリーズかと比較されていたが、今はRadeonの影はだいぶ薄くなっているように思う。
またローエンドのPCのグラフィック出力はCPUができるようになっているので、外付けのGPUを使うのはハイエンドモデルとなっている。

AIチップとしては、今はGeForceがメジャーであるが、GoogleやAppleなどいろんな会社も作ろうとしている/作っている。

どちらでもNVIDIAは一番といっても良いだろう。

1.2 性能向上

CPUはムーアの法則の限界により最近は毎年10%の性能向上まで落ちているが、GPUは毎年50%成長を続けるらしい。
また1つのアーキテクチャ(チップ構造)を拡張して利用しやすい構成にしているのも効率がよい。

データセンターでもGPUを使った最新の環境にすれば、CPUベースのサーバーより設置面積・消費電力・費用を削減できるよと主張している。

GPUはムーアの法則を越えて性能向上させるの図
(INVESTOR UPDATE Sep.2018(NDR-Sep-2018-FINAL.pdf)のp.3より引用)

2. 主な用途

NVIDIAが注力している用途・アプリケーションは下記のようなものがある。
NVIDIAが注力する主な4つの分野
(NIVIDIA 2018 Investor Day Presentation(NVIDIA-2018.pdf)のp.5より引用)

2.1 Gaming(ゲーム、eSports)

ゲームというと遊びでやってるゲーマーを思い浮かべるが、最近はそこから発展してeSportsとして大きくなろうとしている。
eSportsになるとスポンサーがついて賞金も出るし、プロのプレーヤーも出てくる。
一部の人だけのものではなく、より一般的になって多くの人が楽しむようになってくる。
きれいな映像を大画面で多くの人に見せたりするので、より高性能な環境が必要となるだろう。

2.2 Pro Visualization

より高度なCG(Computer Graphics)ということだろうか。
今まではあらかじめ膨大な計算をしてCG映像を作っていたが、NVIDIAの最新のRTXという製品ではリアルタイムでのレイトレーシングができ、リアルタイムでより自然に近いCG画像を作れるとのこと。
これによって、映画やCMなどもよりきれいなCGになるし、自動運転のシミュレーター映像などにも使える。
また医療分野でもCTやMRの画像を3次元化してきれいに表示できるようになる。

2.3 データセンター

IoT機器のデータや車の走行データ、音声・画像・動画、ECサイトなどの購買データなど、データはいくらでも増えていく。
さらに世の中にあるデータをかき集めてAIの学習やシミュレーションをさせるということをいろんな業界で進めている。
そのためのデータセンターは今後も必要になるし、Deep learningなどするにはまだいくらでも性能向上が必要である。

2.4 自動運転

お乗用車やトラックの自動運転の実用化・高度化を各社が進めている。
NVIDIAは自動車業界向けのオープンプラットフォームを用意して、自動車メーカ・部品メーカ・地図・センサーなど多くのパートナーと協業している。
また自動運転は自動車だけでなく、ドローンやロボットも関連してくる。


NVIDIAによると上記4分野の市場の3年平均成長率は下記のように大きく成長しているとのこと。また今後も少なくとも数年はどんどん伸びていくだろう。

 3年平均成長率(CAGR)
  • Gaming:~40%
  • Pro Vizualization:6%
  • データセンター:~85%
  • 自動運転:45%
4つの市場の成長率
(NIVIDIA 2018 Investor Day Presentation(NVIDIA-2018.pdf)のp.52より引用)

3. 業績

FY2017とFY2018を比較すると

  • 売上:41%増
  • 営業利益:63%増
  • EPS:61%増
業績の変化(FY2017→FY2018)
(NIVIDIA 2018 Investor Day Presentation(NVIDIA-2018.pdf)のp.51より引用)

粗利率、営業利益率についてFY2015とFY2018を比較すると
  • 粗利率:55.8%→60.2%(4.4ポイント上昇)
  • 営業利益率:20%→37%(17ポイント上昇)
とそれぞれ大きく上昇している。
営業利益率の変化(FY2015→FY2018)
(NIVIDIA 2018 Investor Day Presentation(NVIDIA-2018.pdf)のp.59より引用)

また市場ごとの粗利率のグラフが下記のようになっている。
粗利率の高いGaming、データセンターの事業が伸びると粗利率もさらに向上することが期待できる。
市場ごとの粗利率
(NIVIDIA 2018 Investor Day Presentation(NVIDIA-2018.pdf)のp.55より引用)

4. 結論


以上のことを考えるとまだまだ安心して株を保有・買い増ししようと思う。


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