2023年3月29日水曜日

株主総会出席:(株)MonotaRO(3064)

  ここ数年出席している、MonotaROの株主総会。昨年に引き続きホテルグランビア大阪で開催。

なお、以下は聞きながらのメモであり、聞き逃し・勘違い・理解不足などによる誤りも多々あると思われるが、その点はご容赦いただきたい。


(株)MonotaRO 第23期定時株主総会

1. 場所・時間

場所:ホテルグランヴィア大阪 20F 名庭の間(大阪市北区)
   インターネット中継あり
日時:2023/03/29(水)10時~11:50
120名ほどの座席が用意され、40名強の出席。
スタッフの人はみなマスクをしていたが、取締役・執行役は全員マスクなしだった。発言する可能性があるからかも。一般株主に対してマスクをどうしてくれというアナウンスはなし。

2. 内容(説明)

鈴木社長の議事進行で始まる。
毎年のことながら、会場で配られる資料を基に総会が進められる。
以下はトピック的なメモ。

2.1 2022年度決算概要

  • この1年は、インフレ・円安などで価格上昇要因が多くある中で、価格を以下に適正にお客様に提供するかに注力した1年だったとのこと。
  • これまでの20年は新規顧客獲得と顧客あたりの売上増に注力してきた。昨年商品提案のパーソナライズをオフラインでの展開も始めた。30ページのチラシを客先ごとに内容を変えて印刷・送付できるようになった。
  • 直接雇用の従業員(パートを含む)には昨年6%の賃上げを行った。今年も同程度実施の予定。
  • 海外について、韓国は日本での今までの取り組みの道筋を割とそのまま適用できてうまくいっている。インドネシアは多くの商品を輸入しており、いつ入荷するかの情報が難しい。インドは正確に約束通りに届けることが重要。

2.2 さらなる成長に向けて(今後の取り組み)

ここからは分野ごとに担当執行役員が説明した。

2.2.1 購買管理システム事業

久保執行役から説明。
  • ある客先と購買管理システムで連携した後、その客先の拠点でモノタロウを利用できる拠点を増やすのと、各拠点のユーザー数を増やすことを目的として営業活動を行っている。
  • 顧客と共同プロジェクトで全社展開を推進したり、ネット通販事業の1to1マーケティングなどの横展開をして拡大を目指している。

2.2.2 サプライチェーン戦略

田村執行役から説明。
  • 猪名川DCでの作業の様子をビデオで紹介。尼崎では社員が棚を回ってピッキングしていたが、猪名川では棚がAGVで社員の所に運ばれてきて、社員の移動を減らすようにしている。ピッキングする商品と個数もプロジェクションマッピングで棚に映像を投影して指示。
  • 現状仕入れ先の在庫がわからず納期精度面に問題があるのを、仕入れ先と在庫状況を共有して納期精度を向上させる。
  • 自社の物流拠点に仕入れてから発送するだけでなく、仕入れ先の在庫を引き当てて、仕入れ先から直接客先に出荷してもらうことにも取り組む。

2.2.3 海外事業

田浦執行役から説明。
  • 普段はジャカルタに常駐しており、そこから韓国・インドも管轄している。
  • 韓国は購買管理システムを導入した。その立ち上がりが良い感じ。
  • インドネシアは今はジャカルタの客先がほとんどだが、今後はジャカルタ以外にも拠点を増やす。
  • インドは人口が多いので新規顧客は取りやすいがリピート率が低い。自社配送の拡大などで利便性を改善してリピート率増を目指す。

2.2.4 サステナビリティ

甲田執行役から説明。

2.3 今後の課題

ここからまた鈴木社長が説明。
  • 売上成長率について、2009年にリーマンショックがあり、既存顧客の売上成長率が前年比マイナスになったが、新規顧客の成長率で全体としてはわずかながらプラスになった。その後2013年、2016年と約3年ごとに景気の落ち込みで新規顧客の売上成長率は若干落ち込んでいる。既存顧客が毎年増える中で、既存顧客分の落ち込みを新規顧客の増加で補うのはだんだん難しくなってきている。今は大企業連携の成長で全体の成長率を維持できている。また既存顧客である、250万の顧客の稼働率を上げることに注力していく。
  • アルダグラム社への出資(ニュースリリースはこちら)について、建設・工事現場の施工管理というアプリでのユーザーの時間資源の有効活用という価値観が同じということで出資した。そのアプリから間接資材を当社に発注できるような連携などにチャレンジしていく。
  • 組織体制について、今まで事業成長に伴う人員増に対して、梅田サテライトオフィスやコワークスペースの活用でしのいできたが、2023年11月の予定で大阪梅田に建設中のJPタワー大阪に移転する。
11:15に以上のような内容を含めた説明が終了。

決議事項の説明があり、質疑応答の時間。

3. 内容(質疑応答)

質問数に制限を設けることはなく、質問を受けていた。すべて鈴木社長が回答。
以下の内容も自分の聞き書きであり、質問者・回答者の意図と異なる、抜けている可能性もある。

1.[Q] 増収増益にもかかわらず株価がどんどん下がっている。株価は将来を織り込むので、将来の経営を市場から心配されているのでは?また商品点数が非常に多いので、在庫管理などきちんとできているのか心配。

1.[A] 今までも同様の質問に回答しているが、会社として株価が高い安いということは言えない。今までの推移を見ると、ピークから半分に下がることも過去には発生しているが、5年・10年でみると上昇している。
在庫について、1900万点の取り扱い点数のうち、在庫を持っているのは50万点ほど。これらはきちんと売れるものを在庫しているのでほとんど毀損することはない。また在庫の棚卸しはきちんと行っている。

2.[Q] 新聞に農業向け土壌分析を当社が行うとの記事があったが、本業と関係ないのでは?

2.[A] 2016年から農業資材も通販で取り扱いを行っており、その関連でサービスを開始したので、無関係ではない。

3.[Q] 計画の売上高について、インフレの影響はどのくらいか?

3.[A] 仕入れ価格は今年10%上昇したが、販売も10%増やしている。平均単価が上がっているのに対し、配送費は上がってないから利益に対してはプラスになった。

4.[Q] チラシのオンデマンド化が好調とのことだが、費用対効果はどのくらい?

4.[A] 数字は頭に入ってないので回答できないが、300ページに一般カタログの配布よりはカスタマイズしたチラシの方が明らかにプラスだった。

5.[Q] 拠点数増はどれくらい変わる?
(筆者注:資料のどこにも拠点数が増えるような情報はないが。。)

5.[A] 現在大阪・東京・名古屋に拠点があるが、今後どこにという具体的な予定は今のところはない。

6.[Q] 物流センターの予定は?

6.[A] 現在の猪名川DCの第2期スタートで18万行の能力があり、次の拠点整備まではこの能力で進める。賃料や減価償却費は一定の中で今後売上は増える予定なので、売上に対する比率は下がる。

7.[Q] 海外倉庫の自然災害に対する危機管理、セキュリティの管理について教えて欲しい。

7.[A] 猪名川DCは内陸部にあり、免震機能を備えた建物なので、これも地震・津波などに備えたもの。韓国も内陸部にあり水害リスクはなし、インドネシアも内陸部に置いている。セキュリティに関してはセキュリティの専任担当チームを増やして、国内外の拠点に対して継続的に監査などを行っている。

8.[Q] 中国製の商品の品質確保はどうなっているのか?知り合いの話しでは不具合があって連絡すると、すぐに商品を交換すると言われたらしいがそれでいいのか。

8.[A] PB商品に関しては、商品開発担当者が開発時に工場などを監査している。また品質管理室が定期的に第3者監査を行っている。

9.[Q] 購買管理システムの中の「One Source」というのは何か教えて欲しい。

9.[A] 大企業の中には自社で購買システムを持っているところがあり、それに対してはそのシステムの中からモノタロウにアクセスできるように連携している。一方、自社で購買システムを持たない会社に対して、One Sourceという自社製の購買システムを提供してそれを使ってもらっている。

以上で質問がなくなり、質疑応答終了。

最後に決議事項の採決を取り、すべて採択された後、取締役・執行役の紹介。

11:50にすべて終了。


顧客に提供する価値も明確であり、これからも継続して客先・売上増を目指すのだろうなということで、事業の方向性の安定感がある。


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