2024年6月21日金曜日

株主総会出席:(株)ラクス(3923)

   本日、ラクスの株主総会に出席。

こちらは昨年に続き4回目の出席。(昨年の内容はこちら)


(株)ラクス 第24期定時株主総会

1.場所・時間

場所:梅田センタービル31F ホワイトホール(大阪市北区)

日時:2024/06/21(金)

10時開始、10:24終了(株主総会)、10:51終了(全体)

本日の出席者は約20名。昨年より少し増え、女性の参加者も数名いた。

昨年同様に、株主総会として必要な決議事項などはささっと済ませて、その後にざっくばらんな質疑応答の機会を設けるやり方。

2.内容(概要)

  • 中村社長が議事進行
  • 株主総会における議決権の充足数の説明
  • 監査役より監査報告の説明
  • 報告事項は「招集ご通知に記載の通り」というだけで、説明はなし。
  • 決議案について説明し、質問を受ける。(内容は後掲)
  • 採決
  • 承認を受けた取締役の紹介

以上で、10:24に株主総会は終了。

その後は質疑応答タイム。


3.内容(質疑応答)

以下の内容は自分の聞き書きであり、質問者・回答者の意図と異なる、抜けている可能性もある。

[Q]は質問、[A]はそれに対する回答(中村社長が回答)

最初の1番目の質問(1-1~1-3)のみ、株主総会中での質問。それ以降は質疑応答タイムでの質問。質問数に制限はなく、1人が同時に複数の質問をした場合は、下記の記録には「1-1」のように枝番号を付加している。

ここにまとめて掲載する。

(株主総会中での質問)

1-1.[Q] 子会社を買収してから1年経つがその成果の具体的な内容を知りたい。

1-1.[A] 勤怠管理の会社で年間10億の売り上げがある。HOYAの「kinnosuke」を買収した。理由としては楽楽勤怠よりも機能が豊富だったので。ラクスの開発を止めて「kinnosuke」の名前を変えた。引き合いが多いのと思ったよりも早く立ち上がっている。PMI(M&A後の統合プロセス)が最近機能し始めている。


1-2.[Q] 宣伝はこれからやるのか?

1-2.[A] 様子をみながら、必要があれば宣伝も出す。


1-3.[Q] ベースアップについて、人件費の割合を知りたい。またベースアップはどれくらいか? 

1-3.[A] 今回のベースアップで5%強。金額で6億くらい。ベースアップをするか否かは、採用での競合のバッティング状況、内定受諾率などを見て決めている。事業がサブスクなので価格転嫁はやりやすいと思っている。世の中的に賃金が上がるなら上げていく。必要な定数を取れるかどうかが重要と考えている。


(以降、質疑応答タイムでの質問)

2.[Q] 楽楽精算とかは市場規模の数字が出ているが、楽楽販売についてはそのような数字がない。中長期的な規模をどう考えているか?またkintoneが競合かと思うが、あまり違いを感じない。優位性はどのあたりにあるのか?

2.[A] Web型データベース/表計算という商品だが、元々あった市場というものではないので、市場規模の評価/把握が難しい。例えばセールスフォースが1000億なので、100~200億くらいはできるのでは?と考えている。

優位性について、見た目ではわかりにくい。複雑なことや自動化はやりやすい。稟議や請求書の金額を作ったりといろいろできる。製品を乗り換えるには億単位の金額がかかるので、それくらいの価値があるのでは?と考えている。


3.[Q] AIの活用について、どのような考えで取り組むのか?

3.[A] AIを活用していかに客先の業務を楽にするか、どうオフィス系に活用できそうかを検討している。自分たちにとっては中立要因で、そこまで驚くような実装はまだできていない。将来的に新たな付加価値ができたら良いと考えている。

社内の利用については、開発に関してはコパイロットを全面的に導入し、生産性を上げている。開発以外でも文書作成などに活用している。


4-1.[Q] 5~10年後の主力商品についてどのように考えているか知りたい。

4-1.[A] サービスは基本的には増やす方向で、入金管理とか検討中である。バックオフィス系のサービスを中心に考えている。5~10年後を考えると、今のサービス群+それに連動するサービスが必要だろうと思っている。


4-2.[Q] Sansanが神山の高専を作ったが、会社として公益活動をする予定はあるか?

4-2.[A] 企業の一番の社会貢献は納税だと考えているので、特にやる予定はない。ラクスみらいでの障害者雇用など、必要なことは行っている。ちなみに神山の高専には寄付をして応援している。


5.[Q] 中期経営計画が達成できないようなリスクはどういうものがあるか?

5.[A] 改正電子帳簿保存法の追い風で短期的に前倒しで客が取れたのはあるので、売上がその分伸び悩むかもというのがリスク。ただそういうことが出てきても都度対処はしていくので問題ない。


6-1.[Q] 「株主の皆様へ」という手紙が今回で最後となるのが寂しい。メルマガになると特別感を感じなさそう。(単なる意見)

6-1.[A] 株主数が1万人を越え、この手紙が以外に費用がかかっていることがわかった。なのでデジタル化することにした。


6-2.[Q] ラクスパートナーズの件でXで炎上する案件があったが、足元をすくわれないような体制を作って欲しい。

6-2.[A] SNSの運用規定があるが、子会社に対して十分に浸透できていなかったのと、入社して3ヶ月の人に任せたのが良くなかったと考えている。100%防ぐことは難しいと思うが、起きる確率を減らすことと、起きた時の対応をきちんとすることをやっていきたい。

 

7.[Q] 新しいビジネス分野や市場など、長期的に考えていることはあるか?

7.[A] 基本的にはバックオフィス系を考えている。バックオフィス系の良いところはずっと使われる点。なかなかスイッチされにくい。外国などでより統合されたサービスに置き換わるようなことがあるので、それに対する対処をやっていきたい。また、将来的には海外も考えている。


8.[Q] 会社の一番の財産は社長だと思っている。ひとまずこの一年健康は大丈夫か?

8.[A] 健康診断も受けてるし、大丈夫。


以上で、質問したい人がいなくなったので、終了。


2024年6月14日金曜日

株主総会視聴:全国保証(株)(7164)

  本日全国保証の株主総会があり、ネット経由で視聴ができるので、視聴した。

全国保証の株主総会は昨年に続き3回目。


全国保証(株) 第44回定時株主総会

1. 場所・時間

場所:JPタワー ホール&カンファレンス(東京都千代田区)

   インターネット中継にて視聴。

時間:2024/6/14(金) 10時開始、11:21終了


2. 内容

昨年と同様、青木社長の議事進行で進む。

2.1 事業状況と決議議案の説明

  • 株主の議決権の数が充足していることの説明
  • 監査報告は:招集ご通知に記載の通り
  • 事業の経過と成果:スクリーンでスライドと合成音声による説明。
  • 対処すべき課題:青木社長が説明する。概要のみの簡単な説明。
  • 議案上程・説明
以下、質疑応答

2.2 質疑応答

質問は1人1点のみとのことだったが、同じ人が2回目に質問してもそれは許容されていた。

以下は自分の聞き書きであり、質問者・回答者の意図と異なる、抜けている可能性もある点はご容赦いただきたい。

青木社長が回答したり、担当者が回答する質問もあった。

[Q]は質問、[A]はそれに対する回答。(特記なきものは青木社長の回答)


1.[Q] 社長交代後の状況確認をしたい。事業については堅調と思う一方、住宅ローンプラットフォーマーを目指しての活動はまだ道半ばというのも多いと思う。未来志向で会社を導きたいと言う中で、課題や達成感について聞きたい。

また石川会長に、青木社長に対してどのようなサポートをしているのか、また石川社長から見た青木社長の評価を聞きたい。

1.[A] (青木社長) 昨年4月に就任して、オーガニック成長はうまくいっている。インオーガニック成長も1.3億のポートフォリオの獲得ができてうまくいった。労働人口の減少や、AIなど従来考えなくても良かった問題が出てきており、今までと同じ成長がこれからもできるのか?ということは常々考えている。 初めの一歩は踏み出せたと思う。また会社は変わり始めていると感じている。

(石川会長) 業務執行に関しては先頭に立ってがんばっている。自分のカラーを出していこうとしている。社長は管理畑の出身で営業の実績は少ないが、積極的に金融機関と接点を持って関係を深掘りしている。

課題としては、この1年は外部とのコミュニケーションを優先してきたと思う。これからは自社の地方支店の職員との接点も増やせたらいいのでは?と思う。 基本的には社長に任せており、自分が出しゃばりすぎないようにしている。


2.[Q] (若めな声の女性) 政府の男女共同参画会議で、2030年までに女性役員の比率を30%にするという目標が出ているが、当社は少ないと思う。今はどれくらいか?

2.[A] 取締役についてはまず見識、経験などの選任基準があり、性別に関係なく人物像をみて判断している。比率については今回の総会で可決されたら、3/13で23.1%になる。


3.[Q] 営業費用が増加していると感じている。内訳や今後の見込みについて聞きたい。

3.[A] (経理担当の山口取締役) 与信費用が増えたのが一因。コロナ禍では保証履行が抑えられていた。コロナ禍が明けてから、貸し倒れや延滞が増えた。しかし計画段階から織り込み済みであり問題はなし。その他には2年連続で社員のベースアップも7%、5%としたので、人件費も増えた。ただこちらも将来予測もしながら織り込み済みなので、問題はない。

(社長補足) 人的資本や資本など、成長につながる部分は積極的に投資していきたい。


4.[Q] 提携金融機関が744から719に減っているのはどう考えたら良いのか?今後の見込みについても聞きたい。

4.[A] (営業担当の浅田取締役) 特にJAの統合・合併があり、見た目の数は減っている.提携していない金融機関はあと十数行くらいなので、引き続き提携を進めたい。またネット銀行とも提携していきたい。

(社長補足) 提携をやめたいということで数が減っているわけではないので、その点は安心して欲しい。またネット銀行については今期初めて楽天銀行と提携したが、引き続き他の銀行とも提携していきたい。


5.[Q] 資本投資を増やしていると思うが、どういうところに増やしているのか?

5.[A] 17兆の保証債務残高に対する資本は必要資本としており、そこは充足できたので余剰資本を活用するフェーズになってきている。成長につながる投資である、インオーガニック成長に使う。M&Aして欲しいという声が増えてきているので、進めている。


6.[Q] IRについて、機関投資家と積極的に対話していると思う。機関投資家からの将来の期待感・課題はどういうものがあるか。またどのような対話をしているか、内容の公開をしないのか? また、個人投資家との対話の機会を増やして欲しい。

6.[A] 重要視すべきはバランスだと考えている。(機関投資家や金融機関などとの対話に費やす時間のことか?) よく言われることは、全国保証という会社がまだまだ知られていないと言われる。もっとIRを充実させて会社のことを知ってもらうようにと言われる。また個人投資家との対話の場なども必要があれば検討したい。


7.[Q] 今後の金利動向と事業への影響について知りたい。

7.[A] マイナスの影響としては、変動金利の場合に代理弁済が増える。ただし事前審査もしているので、それほど急に増えるものではない。

プラス面としては、現在変動金利での契約が多く、固定金利への借り換えニーズが高まる期待がある。また利回りが高まると保証料の運用益も増える。結果としてプラス面の萌芽大きいと思う。


8.[Q] 少子高齢化が進む中、本当にオーガニック成長をするのか?整合性はあるのか?

8.[A] オーガニック成長については、まだ自社のシェアは8%程度であり、そのシェアを増やせると考えている。また新規住宅ローンの中で、中古やリフォームはまだまだ伸びると思っている。


9.[Q] オーガニック成長に対して、人を増やすのか、あるいは今いる人の成長によってまかなうのか?また、インオーガニックの利益水準が合うのかどうかを知りたい。


9.[A] (利益水準について社長が回答) M&Aなどの時のデューデリジェンスも新規保証の場合と同様に行っている(ちゃんともらえるか?)ので、同様の利益率になるように進めている。利益率を下げるようなことはやる意味がないと考えている。

(人事担当の山口取締役) 業務効率化やスキル向上を重視しており、生産性向上によってまかなう予定であり、大幅に人を増やすことは考えていない。インオーガニック成長の分野にも必要な人員を割り当てることは計画して取り組んでいる。


ここで質問がなくなったので質疑終了。

採決に進めても問題ないか、出席株主に確認した上で、採決に進む。

2.3 採決

決議事項の採決をして、選任された取締役・監査役を紹介して、11:21に株主総会終了。


今回も、質問がなくなるまで丁寧に回答する議事運営だった。